2024.12.07-12.12 開催終了
2023.10.15-11.10 開催終了
「人って何をおもっているか分からない」
作品について話す時や飲んでいる時に田島氏はこの言葉を繰り返す。飲めば飲むほど繰り返す。本当はいかに自分がコミュ障であるかという話とセットでさらに繰り返す。
「何を考えているか」ではなく、「何をおもっているか」という独特の言い回しが気になったので掘ってみると、何を考えているかは一時的なことで結果が必要な気がしてしまうけれど、おもいとは形を変えながらも、どこかにずっとあり続ける割り切れないものだと思うと田島は言う。
確かに、考えとはその瞬間以降に「何をおもうか」を決定するためのプロセスであり、おもいこそが人の行動や対人関係を決定しているかもしれない。
田島は大学院在籍時より「人のおもいと関係性」をテーマとし、当初は油彩で作品制作を行っていたが、リトグラフに触れた際に「後戻りできない」という、油画にはない「区切り」という概念があることを気に入り、版画での作品制作をはじめた。
更に制作を進める中で、自身のテーマを踏まえると観察者の捉え方の余白を多くするべきと考え、色を排除し更にシンプルなアウトプットとなっていった。
近年ではまたペインティングの作品を中心としているが、油画の頃とは技法も与える印象も大きく変わっている。
油性色鉛筆を使うことで人のおもいの有機的な粘っこさを表現し、さらにアクリルを併用することで、一瞬版画にも見える光沢感があり平面的でありながら有機物(生き物)っぽさの同居する作品となっている。
また、男5人女1人の兄弟構成ということもあり、女性像をテーマとしていた時代もあるそうだが、それでは限定的で個人的すぎるため面白くないと思い、今のテーマへと変異していったそうだ。
だが、今の作品でもモチーフの周りにハートやぬいぐるみなどの少女的アイコンが散りばめられているのは、メインのモチーフが田島以外の人物を表現していて、少女的アイコンこそが人と人との間で右往左往している田島自身なのかもしれない。
「深淵を覗いてみたいけど、人ってこうかもしれないって両軸を感じたいし、感じて欲しい」
人が分からない、だから人との距離なんてもっと分からない、分からないから怖いし難しいけど、分からないから面白いし愛おしい、そんな田島のコミュ障の奥を覗ける展示になるかと思います。
覗いてあげると嫌がるけど喜ぶよ。
1988年生まれ / 福岡県出身 / 福岡県在住
2013年 九州産業大学大学院芸術研究科博士前期課程美術専攻 修了