2023.12.15-2024.01.20 開催終了
2023.03.22-04.13 開催終了
リアル/バーチャルのすがた
ワタナベメイは、これまで「人物」をモティーフとした作品を主に制作してきました。その作品は、特定の人物やキャラクターを表現、表象しているのではなく、フィクションであるからこそ可能となる「無機質で可変的な身体の一面」をテーマとして表現しています。作品は、絵画、銅版画やシルクスクリーン技法による版画、デジタルファブリケーションを用いた 3Dオブジェクト、透明という情報を含む Portable Network Graphicsデータといった、特定の表現技法に依ることなく制作されています。
ワタナベメイの作品は、ある「型」からヴァリエーションを派生させる・・・着せ替え人形のような作品制作プロセスがあると感じられます。それは、作品の一回性、唯一性をもっているオリジナルとしてのタブローを新たな図像として置き換えるようなものではなく、作家自身で無制限にオリジナルとしてのタブローを反復していく過程によって、翻って、着せ替える前の身体(=オリジナルとしてのタブロー)がもっていた「うつくしさ」について、思いをめぐらせるための行為のようです。また、私たちが生きる現在の実社会は、リアルとバーチャルが複雑に関係しあうことで形成されています。このように思いを巡らせてみると、ワタナベメイの作品に表象されている仮想現実の中にある分身(=アバター)や、空想上に住む一角獣(=ユニコーン)は、リアル/バーチャルのすがたなのかもしれません。
本個展「fig」は、ワタナベメイの過去作品から選出されたいわゆる「アンソロジー」に新作を加え、現在までのワタナベメイという作家の思考を最も体現できる展示となっています。ひとつひとつの作品を星座のように結びながら鑑賞していくことで、ワタナベメイが描く「無機質で可変的な身体」にふれることができるかもしれません。